セシリアの言葉にミスティリーナはどう言っていいのかわからないようでもある。思わず、ポカンとした顔で彼女はセシリアにたずねているのだった。


「えっと……あのシスコン、今度はリアにちょっかいかけてるの?」


 呆れたようなミスティリーナの声が室内には響いていた。信じられないという顔のミスティリーナをみてセシリアは笑っているだけだった。

 そして、同じ城内の別の場所。

 そこで、アルディスはカルロスと穏やかな時を過ごしていた。ようやく、自分の思いを口にすることができて幸福な思いでいるアルディス。その彼女を暖かく見守っているカルロス。


「カルロス様、わたくしでよろしいの?」


 それは、今まで何度も口にされた問いかけ。それに対するカルロスの答えも同じものだった。


「当たり前だろう。お前もいろいろなことがあったからな。心配になるのはわかる。だがな、俺がお前のことを愛しているのは間違いない」