いつもの席




彼―凉君―は、ゆっくり口を開いて、


「かりなってさ、自分のかわいさ分かってねーだろ。」


……え!?

「あたし、可愛くないもん!!」


凉君は、やっぱりな、とため息をついて言った。


「お前は、かわいい。

だから、西高の男子は、だいたいお前のこと知ってる。」


……

「えええぇええぇえええぇ!!!」


て言うか、凉君いま、あたしのこと、かわいいって…


「えーじゃなくて。

お前は、かわいいんだって…」


1度ならず、2度までも。


「それで、俺は電車でお前を見てたら……」


「?」