『和泉の母ちゃん、何喋ってんのかわかんねーな!



あはははっ!!!』



『宇宙人なんじゃん???




宇宙人!!宇宙人!!』




『和泉も宇宙語しゃべってみろよ!!あはははっ!!!』









小学校1年の頃、




母親の言葉を馬鹿にされて、



手話や話し方をからかうように真似されて、






いつしか、心を閉ざしていった。




その時、小学校の担任が、俺を守ってくれなかったら、


俺はきっと、不登校になっていたと思う。


担任に勧められて、ミニバスに入った。



『何かひとつ特技を持て!

それが和泉の強みになる!』




そう、言われた。






バスケをしている時だけ、嫌なことを忘れられた。


バスケのおかげで、誰も俺をバカにしなくなった。








でも、中学の時に、自分の耳も聞こえにくくなって、





もう、全てが嫌になった。








「どうせ・・」



「別に・・」




「関係ないし・・・」




そんな言葉が口癖になっていた。





何もやる気がしなかった。




マイナス思考で、


なんでも諦めて。





両耳聞こえなくなってもいいし。別に。


バスケできなくなっても、やっぱ俺ってそんなもんだしって。










机に伏せて寝てばかりいた。




もう、生きている意味もわからなかった。








いつ死んでも構わないって、




そう思っていた。