「ただいまー」
玄関に入ると、お母さんがリビングから飛び出てきた。
「いらっしゃい!!」
そんなお母さんの様子を見て、拓人が微笑んだ。
そして、
「合格しました」と言って、ペコッと頭を下げた。
お母さんは手を叩いて喜んだ。
「よかった!!おめでとう!!
今日はね、二人の合格パーティーね!
ゆっくりしていって!」
私は拓人にスリッパを出して、リビングに行こうとしたら、
お母さんに止められた。
「こっちはいいから」
お母さんは私の背中を押して、
階段の方へ連れて行った。
「なんでよ・・手伝うよ。
ひとりで大変じゃん・・」
「いいから。
勉強でなかなか会ってなかったでしょ。
ゆっくり部屋で話してきなさい。
パーティーっていってもお寿司よお寿司!
出すだけだから、大丈夫、大変じゃないわ。
ほら、行きなさい。
お父さんが帰ってきたら始めましょうね」
「え・・お父さん?」
お母さんは、うふふふっと笑った。
「お父さん、拓人くんの結果も気になってたみたいで、
朝、仕事行く前に、「今日も早めに帰る」って言ってたわよ」
お父さん・・・
「お父さんが帰ってきたら呼んでね。
じゃあ・・拓人部屋行こう?」