「弥生君、今から僕達学校に行くんです。
忙しいので。またの機会に。」


「おいおい、連れねー奴だな。
せっかくのトモダチが会いに来たってのに。」




私はまるで時間が止まったかのように動けなかった。




「俺らの仲だろ?
な、沙羅?」




―――私に振らないで欲しい。


私自身、今何がしたいのか分からないのだから。




「あまりの感動で硬直したのか?」




そして私に近づいた弥生は南と私の間に入り、引き離す。
それから南に聞こえない様な声で囁いた。




「――話したい。
放課後、駅の近くにあるファミレスで。」




そして弥生はフラフラと歩いて去ってしまった。