パチン… 「外すなよ。可愛いから。」 そう言って奴はあろうことか、あろうことか、教室で私の頭に付けた髪留めにキスをしやがった。 「…………」 「おーい沙羅ちゃーん。大丈夫ー?」 「…………」 「……ダメだこりゃ。 フリーズしちゃってるよ。 弥生もTPOをわきまえなよ。」 「まぁ、可愛いアイツが悪いから。責任は取りかねるということで。」 「生粋のタラシだね。」 「まぁな。よく言われてる。」 この後正気に戻った私は皆の視線を感じ、教室を退散したのは言うまでもない。