瞬くん

私達…きっと前に進まなきゃいけないんだよ。


昔は、自分からふったのに戻りたいって思った。

でも、人って怖いほど変わるんだよね。

ずっと大好きだった君じゃなくて…
今は、違う人を大好きなんだ。

行かなきゃいけないんだ。
圭吾のところに



私は、圭吾が待っている正門に向かった。
走って…走って…
また圭吾を見失うのが嫌で…怖くて

また居なかったらって思った。

でも、ちゃんと居てくれて…


「圭吾っ!」

息切れしている私を驚いた顔して見ていた。

「え、ちょっ大丈夫?」

「はぁ…うん。はぁ」

「そんなに急いでどうした?」

上手く言葉がでなくて…

やっと出たと思ったら
瞬くんとの話を切り出してしまった。

「瞬くんっ…とね…話…して…て。」

こんな話をしたいんじゃない。
もっとちゃんと…圭吾との話をっ

そう思った瞬間
予期せぬことが起こった。

「なんだよー二人してさ。
由香も橘の話したくて俺を呼んだの?
ラブラブだなぁ。

あ、橘…由香が元気無くて悩んでたぞ。
あんま不安にさせんなよ?」


違うの。何で…?圭吾。

こんなこと言われたいんじゃない。

勘違いしてるの?
私が好きなのは、圭吾だよ?


「あ、ごめんな?
話聞きたいのは山々なんだけど
行かなきゃいけないところあるんだ。
じゃあ、また今度その話聞かせてな」


そう言って圭吾は、帰ってしまった。