世界は度重なる戦争で戦火に燃え、

数え切れないほどの人や町が灰になった。


亡くなった人々の悔い、

家族を失くした人々の悲しみ、

大切な人、物を失くした人々の嘆き、

世界が嫌になった人々の怒り、


様々な負の感情が重なり合い、世界は負に包まれた。


負の連鎖が始まって500年たった頃、

世界には魔物や怨霊が当たり前に出没するようになった。



そして同時に魔法が使える人々が少しずつ現れ、

最初でこそ多少の迫害にあったものの、

世界を守るための力として大切にされるようになった。



戦争はいつの間にか終わり、世界はやっと復興へと進んでいた。

しかし500年という長い歳月の中に生まれた負は消える事はなく、

世界をむしばみ続けた。



そんな世界に慣れ、いくつかの国は復興を遂げ、

世界を守るために魔法を使えない人は武術を磨いた。




これは、負の連鎖が始まってから1000年後の世界の話。

一人の魔道剣士と、一国の王子の物語…