ケータイ小説 『肌』 著:マサキ



サクとは、1年の時に同じ授業を取っていたことがキッカケで仲良くなり、いまでは毎週のように抱き合う関係だけど、大学にいる時はほとんど絡まない。

人前で話すといったら、私の所属するサークル活動に、サクが遊びで顔を出す時だけだ。


普段、大学内で、私は女友達と行動しているし、サクもサクで、何人かの男子学生達と一緒に動いている。


ラブホに行く時はメールで連絡を取り合い、大学の門前で待ち合わせをするのが決まりというか、当たり前になっていた。


駅までの道のり。

私はサクに訊(き)いてみた。

「サクはさー、彼女とか作る気ないの?

っていうか、好きな人とかできないの?

周りには、彼女と真面目に付き合ってる人もいるんでしょ?

見てて、うらやましくなったりしない?」

「んー、別に、そうでもねえな。

彼女なんて、いたらいたでめんどくさいし」

「ははは、サクらしいね」

サクなら、そう言うと思ったよ。

こういう関係になる前から、サクの性格は知っていた。

束縛されるのが嫌いで、特定の彼女がいてもすぐに別れてしまうトコ。


でも、どんな人にもいいところはある。

サクが友達想いで面倒見の良い性格なのもたしか。


1年の夏休み明け。

マサキと別れてボロボロになっていた私を助けてくれたのは、サクだった。

幼なじみの親友·アサミでもなく、大学の女友達でもなく、私を暗闇から抜け出させてくれたのはサクだった。


セフレ。

こんなだらしない関係を続けるくらいなら、いっそサクとは恋人同士になった方がいいんじゃないかと思ったりもしたけど、サクを縛る気など全くなかったから、私も気楽な道を選ぶことにしたんだ……。