今夜、マサキとヒロは、ヒロの大学の先輩に頼まれて、その人が副店長として勤めている居酒屋に飲みに行くそうだ。
その先輩が、マサキに会いたがっているらしい。
マサキがこっちに居られる間に、と、ヒロはその場をセッティングしたのだ。
もちろん、こちらとしてはマサキに会えればそれでいいので、どんな店で会ってもかまわない。
アサミと私は、今夜、ヒロのおかげでマサキと会えることになった……!
前もって、いろいろ作戦を練っておいた方がいい。
そう考えたアサミは、まず、ヒロを味方につけようとした。
「マサキって、こっそりケータイ小説書いてるよね?
ヒロ、そのこと知ってて、昨日隠したでしょ!」
『いや……。まあ、なんていうか、それは……』
アサミは、はっきりしないヒロの返答をスルーし、
「だったら、話は早い。
ヒロにも協力してほしいんだけど」
『協力!? なにを……?
まさか、マサキとミオのこと?』
ヒロは、恐る恐るといった様子だ。
私が聞き耳を立てていることには、気付いていなさそう。


