そうだった。
私とサクが、本当はどんな関係なのか。
アサミはそれを知らない……。
そういえば、夏休みになってから、サクとは一度も会ってない。
向こうからは時々メールや電話が来るけど、返事もせず、無視していた。
「サクとは付き合ってないよ……。
全然、そういうんじゃない」
アサミに話しそびれた本当のことを、私は話すことにした。
サクとの、ズルズルした良くない関係……。
真実を口にすればするほど、マサキを失ってからの自分はからっぽだったのだと思い知らされた。
話が進むにつれて同情的になるアサミの視線も、つらい。
これは、自分がしてきたことの報いなんだ……。
ひととおり話を終えると、アサミは眉をつりあげ、
「ミオ、桐島にいいように利用されてるよ!
やっぱりアイツ、最悪な男だ!」
私とサクの関係を全否定し、マサキとヨリを戻してほしい派に転じた。
「あたし、ヒロの番号なら知ってるから、ヒロに頼んで、マサキとミオの仲が戻るように、協力頼んでみる!」
「そんなにうまくいくかな?
小説に書いてくれたのは嬉しいけど、別れてもう4年経つし……」
不安で仕方ない私に、アサミは自信たっぷりに言い放った。
「大丈夫!
ミオはまだ、マサキに好かれてるって!
冷めてる男が、あんな小説ノンフィクションで書かないよ。
本当に気持ちがなかったら、今ごろ他の女と付き合ってるだろうし」


