ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


サクのことは、キライじゃない。

むしろ、“あの時”助けてくれたことに感謝している。

でも、ああやって年下の子を見てしまうと、こんな生活やめなきゃいけないって、本気で考えてしまう。


心が、無理をしていること。

まだ、マサキのことを忘れていないんだって、痛感した。



高校時代、私は全身で恋をした。

他人(ひと)から「若さによる勢い」だって言われたら、否定はできない。

でも、あれは唯一の恋で、私のすべてだった。


マサキ。いま、何をしてる……?

私の前からいなくなって、どこへ行ってしまったの……?



サクは私の考えを読んだみたいに、

「おい、大丈夫か?

俺とバイバイするのさみしい?」

と、わざと的外れなことを言ってきた。

いけないいけない。ひとりの世界に入ってた。

「全然。今日の夜は、近所の人に焼肉連れてってもらうから楽しみ」

「あっ、そ」

彼氏でもないクセに、サクは無意味にふてくされた。