人生初の卵焼きを振る舞った翌日。
マサキは学校で顔色が悪く、体育のサッカーでも動きが鈍かった。
それは、他でもない、私の卵焼きのせいだったんだ……!
(後で知ったのだけど、あの時使ったタマゴは、賞味期限が切れていた……!)
なのに、マサキは文句も言わず、
「今度はチーズ入れたヤツ作ってよ。
あ、ミオの手料理食べさせる相手は、俺限定でな!」
なんて、恥ずかしいセリフでリクエストしてきた。
失敗を責めないで、さりげなくサポートし、上達を見守ってくれた。
それが、マサキの優しさだった。
……マサキ。こんなにも、私のことを考えていてくれたの?
私と別れた後、思い出を残すために、こうして小説を書いていたの?


