ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


《高カロリーな食品摂取。

偏食まっしぐらなのに、それを感じさせないMの体はスラリとしていた。

彼女は生まれつき基礎代謝が高いのだろう。

男子達は、そんなMを見て、

「色気がない」

「もっと胸があれば。残念」

と笑ったりなげいたりしていたが、俺は逆に燃えた。


俺だけの秘密。

彼女は、俺の腕の中では、いつでも女の顔をしていた。


彼女はまったく、料理ができないらしい。

汚いのや不潔にしているのは嫌いらしく、最低限の掃除はしているけれど、放っておくと、彼女はすぐコンビニに走る。

Mの家に行ったからこそ知ることのできた、新事実だ……!



俺が初めてMの家に遊びに行った日。

話したりゲームしたりして時間を過ごしていると、次第に小腹が空いてきた。

両親はおらず、彼女の家には食べ物や飲み物がなかった。

空に近い冷蔵庫の中には、ほとんど使われていない新品同様の調味料がいくつかある。

「コンビニで買えばいいじゃん」

たいして気にしなかった俺はそう提案したのだが、こっちの腹の音を聞いて彼女なりに気を使ってくれたのか、

「料理か。あんまりやったことないけど、やればできる」

強気な顔でMは台所に立った。

フライパン片手に、冷蔵庫の中にあった唯一の食材、卵を使って、卵焼きを焼こうとした。》