ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


近くの学校に通う高校生かな。

制服姿の男女、合わせて10人くらいいる。

もう18時になるのに制服で歩いてるってことは、補習の帰り?

それとも、部活を終えてみんなで帰宅中、とか?


私とサクの両脇をすりぬけるように、高校生達は通り過ぎていった。

どの子の表情もキラキラしていたし、無邪気に話す声もにごりのない明るさがあった。

私とは大違い。

……ううん。私も、数年前はあんな顔で街を歩いていたと思う。

“マサキ”と過ごしていた、あの頃は――――。


通りすがりの高校生達の輝きに触れ、私はいろんな想像をしてみた。

あの子達の私生活。

楽しくも、悩みにぶつかる日常。

多感な毎日。

制服を着て、友達と恋の悩みを相談しあったり、ちょっと進んだ周りのオトナらしい話にドキドキしたりして、楽しんだり泣いたりしながら、一生懸命、毎日を駆け抜けていたりするのかな。

そうなんだろうな、きっと。

だから、私はあんなにもあの子達に惹かれるんだ――。