認めたくないけど……。
今まで私は、自分自身をかえりみず、あぐらをかいていたんだ。
昔から、人より勉強ができた。
物心ついた時から勉強の分野でほめられ続け、図に乗っていなかったと言えばウソになる。
「人より勉強ができる自分」に優越感を持ち、うぬぼれ、実際の評価以上に自信を持ってしまっていた。
結果、こんなことになっている。
社会に出れば、そんなものは通用しない。
「学歴」という防具がなければ、私は厳しい世の中で生き残る自信がない。
「知的」という評価を一掃(いっそう)したら、荒波に立ち向かう気力も奪われてしまう。
恋愛に関しても、同じだ……。
サクとの関係に逃げ、甘え、マサキと別れた現実から目を背け続けてきた。
「学生だから」
言い訳して自分を守ってきたけど、全然、守れてなかった。
ユキリンを見て、厳しい現実を思い知り、うちのめされた。
ユキリンの結婚は素直に嬉しい。
けれど、私は、私自身の問題が山積みなことに直面し、絶望感でいっぱいになっていた……。


