ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


認めたくないけど……。

今まで私は、自分自身をかえりみず、あぐらをかいていたんだ。


昔から、人より勉強ができた。

物心ついた時から勉強の分野でほめられ続け、図に乗っていなかったと言えばウソになる。

「人より勉強ができる自分」に優越感を持ち、うぬぼれ、実際の評価以上に自信を持ってしまっていた。

結果、こんなことになっている。


社会に出れば、そんなものは通用しない。


「学歴」という防具がなければ、私は厳しい世の中で生き残る自信がない。

「知的」という評価を一掃(いっそう)したら、荒波に立ち向かう気力も奪われてしまう。


恋愛に関しても、同じだ……。

サクとの関係に逃げ、甘え、マサキと別れた現実から目を背け続けてきた。

「学生だから」

言い訳して自分を守ってきたけど、全然、守れてなかった。


ユキリンを見て、厳しい現実を思い知り、うちのめされた。

ユキリンの結婚は素直に嬉しい。

けれど、私は、私自身の問題が山積みなことに直面し、絶望感でいっぱいになっていた……。