ヒロは、カウンターで飲み物のお代わりをしているマサキを見た。
「アイツは後輩にも優しいしね。
俺と電話してる時も、マサキのケータイに会社の後輩からキャッチ入ることとかよくあるし。
翌日休みの日は、仕事帰りに後輩と一緒に飲みに行ったり、銭湯連れてったりしてるって。
仕事の相談なんかもされてるらしいよ。
マサキは自分からそういう話しないから、俺が聞き出してやっと分かるって感じだけど。
自分が入社した時みたいなつらい思いを、今後入ってくる新入社員にはさせたくないって、アイツは言ってる」
「へえ。カッコイイじゃん。
なんか、マサキが男に見えてきた。
あたしも、マサキやヒロみたいな男がいる会社なら、入社したいよ」
ヒロに合わせるように、アサミはうっとりした視線をマサキに向けた。
「ちょ、アサミ……!?」
私はつい、アサミを見つめてしまう。
いま、私はマサキと何の関係もないけど、それでもやっぱり、幼なじみが元カレを好きになるのは嫌だ……!
「ミオ、マジにならないでよっ!
冗談だって!!
あたし、これでも彼氏持ちだからね!?」
私はそんなに必死な顔をしてたのか、アサミは驚いて言葉を足す。


