ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


私達が19の頃。

大阪での生活に慣れ始めたマサキは、

「いつまでもフリーターでいるわけにはいかない!」

と、家から通える某大手ビールメーカーに、中途採用という形で就職した。

今年で勤続3年になる。


会社に無理を言って、来年からここ愛知の支社に転勤させてもらえることになった。


「時々、仕事のことでマサキに相談されてた。

学生の俺には理解できない話もあったけど、すごいと思った。

マサキは、グチも言わずに頑張ってたよ」

ヒロは言った。

「マサキは、中途半端な時期に採用された上に、部署の中で1番若かった。

当然、仕事のことも、世間の常識とかも、よく知らないじゃん?

そんな理由で、先輩社員達にめんどくさがられてたんだ」

先輩のお荷物にならないよう、マサキは帰宅後も会社のことを学び、仕事に必要な資格をとり、一人前目指して、知識や社会人としての常識を身につけた。

そんなマサキは、最近になり、「大卒の社員よりも根気がある」と上司達から認められはじめ、結果、同僚の一部から妬まれ始めることになった。

新しい飲料水を開発するプロジェクトチームのサブリーダーを任された時も、平社員の先輩から足を引っ張られ、マサキは相当苦労したらしい。