ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


微妙に気まずい空気が流れたのを察し、私はとっさに口を開いた。

「そういえば、さっき面白いケータイ小説見つけたよ!

って言っても、まだ表紙の文章しか読んでないけど……。

みんなも読む!?」

アサミはやっと気分を変えて、こっちの話に食いついてくれた。

「読む読む!

そういえば、最近読んでなかったなぁ。

ミオ、ケータイ小説好きになったの?

前は全然興味なさそうにしてたのに」

「たまたま。

さっき、口コミ的な話聞いて検索したら出てきた」

ケータイ片手に肩を寄せあう私とアサミは、さっきの女子高生二人の姿に似てて、ちょっと笑える。


マサキさんの作品ページに飛ぶURLをメールで送ってあげると、アサミはテンション高く声を上げた。

「この作者、マサキと同じ名前だ!

しかも、男!?

珍しいね。このサイトでケータイ小説書いてるのって、女の人ばっかりなのに」

アサミは言いながら、私より早いペースで手慣れたように画面をスクロールさせ、紹介した作品を読み進めていく。