アサミは、一生懸命明るく話そうとしている。
その裏に、泣き明かした夜が透けて見えるようだった。
『その時は、さすがに誰にも言えなくてさ。
相手結婚してたから、ほとんど会う時間作れなかったし、外へなんて遊びに行けなかったし。
だから、誰も知らなくて当然なんだ。
いま、初めてミオに話したんだよ』
「アサミ……」
私がサクと性を交えるかたわら、アサミは傷つきながらもひとつひとつの恋に真剣に向き合い、戦ってたんだね……。
一番つらかった時、私に話を聞いてほしかったのかもしれない。
唯一の親友に、私はなんてことをしてしまったんだろう……。
『大丈夫大丈夫!
そんなに心配しないで?
不倫なんてあたしには無理って分かって、その人とはとっくに別れたし、今は別の人と仲良くやってるから』
アサミは元気に言い切った。
やっぱり、何年経ってもアサミは変わらない。
愛らしい容姿が魅力的なのはもちろん、強くて、女の子らしくて、恋することに前向きで、自分の気持ちに素直で……。
クヨクヨせずサクッと気持ちを切り替え、どんどん先に進むしなやかさがある。


