ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


『ヒロも、ミオと会いたがってたよー!

卒業式以来会ってないし、こんな時じゃないと顔見れないかもよ?』

自分の視点で、同窓会に行くメリットを述べるアサミ。

参加しないと、かたくなな私に、行く気を起こさせようと必死だ。

営業やデモンストレーション(試食試飲)のバイトをやったら、アサミは立派な業績を残すに違いない。


なかなかウンと言わない私にじれたのだろう、アサミは最終手段(と思われる)手札をこちらに見せてきた。

『同窓会、マサキも来るって!』

それが本題だってことが、アサミの口調の変化でわかった。

心臓がドクンと大きな音を立てる。

『ヒロから聞いたんだけど、マサキね、来年からこっちで一人暮らしすることになったらしいよ。

アパートの下見も兼ねて、先週からこっちの親戚んちに居候してるんだって。


ミオも、マサキに会いたかったんじゃない?

あの頃じっくり話せなかった分、同窓会で話したらいいじゃん』