ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


家に着くと、マサキがいた……!

これからのことを考えるため、マサキが実家に帰る明日までは、お互いに会わないという約束だったのに……。

「ミオ、大丈夫か?

アサミに、ヤマってヤツの話聞いて、心配で……」

私が近づくなり、門前でしゃがんでいたマサキは勢い良く立ち上がり、取り乱していた。

「うん、大丈夫……。

ヤマには、はっきり断ったよ。

なんか、微妙にキレられたけど」

「そっか、よかった……」

マサキは安堵感を強調するように、大きく息をついた。

アサミに連絡をもらってから、私のことを心配してあちこち探し回ってくれていたらしい。

昼間にかく汗以上に、マサキの上半身は濡れていた。

汗だけじゃなく、マサキも、さっきまでの大雨に当てられていた……?


「今まで、どこにいた?」

「……」

即答できない。

サクのことは、口が裂けても言いたくなかった。

「ごめん、責めるつもりじゃないんだ……。

さっき、サクって男から電話が来た。

だから、まさかって思って……」

マサキは伏し目になる。

私を責める気はない……。

ヤキモチをやく時の、マサキの口癖だ。