ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


マサキが一人で悩んでいたのだろう長い時の中で、私は失恋の痛みに苦しみ、サクと寝て、簡単に自分を楽にしようとした。

逃げていた自分が、許せなかった。


シャワーを浴びて、エアコンの風で服を乾燥させると、私は元通りの身なりに戻った。

サクのいるソファー。

隣に座り、サクの口から吐き出されるタバコの煙を見ていた。


タバコが全て灰になると、サクはライターの火を出したり引っ込めたりしつつ、

「……好きなヤツ、できた?」

「できたっていうか……。

この前、マサキと会った」

「まだ好き、とか?」

「……うん。マサキも同じ気持ちだって言ってくれた」

サクは尖った口調で、

「お前、そいつにフラれて壊れてたんだろ……?

また関わったりして、平気なの?」

こんなにも真面目なサクは、珍しい。

女友達が多くて、彼女ができても長続きしない、女好きを絵に描いたような男。

サクでも、そんなこと言うんだね……。