「一緒に稼いで、夢を叶えようよ」
ヤマはうっとりした目で言った。
世間知らずの私でも、これはさすがに怪しいと感じてしまう。
「夢なんてないよ。
現実見なきゃ」
「ミオはそれでいいの?
昔、言ってたよね。
家事をしてくれるロボットがほしいって」
アホなこと言ってるな、過去の私……!
「さすがにロボットは無理だけど、私達と一緒にこの仕事をがんばれば、家政婦さんを雇うくらいのお金は楽に作れるよ。
働くのは、自分のヒマな時だけでいい。
学生の時と変わらない暮らしをしながら、自分のためだけに時間を費やすことができる」
「……そうなんだ」
「心配しないで?
普通にこなせばちゃんと役職も与えられるし、いま決断してくれたら、就活する必要なんてなくなるよ」


