ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


「一緒に稼いで、夢を叶えようよ」

ヤマはうっとりした目で言った。

世間知らずの私でも、これはさすがに怪しいと感じてしまう。

「夢なんてないよ。

現実見なきゃ」

「ミオはそれでいいの?

昔、言ってたよね。

家事をしてくれるロボットがほしいって」

アホなこと言ってるな、過去の私……!

「さすがにロボットは無理だけど、私達と一緒にこの仕事をがんばれば、家政婦さんを雇うくらいのお金は楽に作れるよ。

働くのは、自分のヒマな時だけでいい。

学生の時と変わらない暮らしをしながら、自分のためだけに時間を費やすことができる」

「……そうなんだ」

「心配しないで?

普通にこなせばちゃんと役職も与えられるし、いま決断してくれたら、就活する必要なんてなくなるよ」