ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


ヤマはなぜ、私にそんな人を紹介してくるのだろう。

私の愛想笑いから何かを感じ取ってくれたのか、尋ねる前に、ヤマが答えた。

「ミオ、けっこう前のメールで、就活うまくいってないって悩んでたよね?」

ああ。そういえば、近況報告としてそんなことを書いたなぁ……。

「松美さんがね、ミオの就職をサポートしてくれるって!」

「え……!?

自分でなんとかするから、いいよ。

そんなつもりでメールしたわけじゃないし……」

微笑を浮かべてこっちを見ている松美さんには悪いけど、私は最後の最後まで、あきらめたくない。

本当にダメになるまでは、他人の力をかりたくない。

初対面の人に頼むなんて、なおさら私のポリシーに反する。


「遠慮することないよ、ミオ」

私の言葉など耳に入っていないのか、ヤマは一方的に話を進める。

中学時代、ヤマってこんな子だったっけ……?

違和感を覚えつつも、私のために時間を割いてこうしてくれてるのだと分かると、無下にはできない。

一応、ヤマの話を聞くことにした。