ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


マサキは、事故の体験について、人知れずこんなに胸を痛めていたんだ……。

《こうなって初めて、強く思った。

自分の大切な人には、絶対にこんな思いをさせたくないと……。


道を歩けば、車との接触事故にあう危険は避けられない。

歩行者がどんなに注意していても、車が不注意だったら意味がないし、逆でも同じだ。

道路を利用するみんなが、事故に関わる可能性がある。


だから、交通ルールを守り、正しく道を利用してほしい。

年下の子には口うるさいと反発されてしまうかもしれないが、これは、俺の自己満足で言っているわけではないと分かってほしい。


これを読んでいる全ての人を、危険から守るために書いている。

伝わってほしいと、切に願う。


俺は、大切な女性·Mとの未来を失ってしまった。


事故にあい、運転手が悪いと判断されたけど、俺も安全確認が甘かったのだ。

正直、事故にあうまでは、交通事故なんて自分には無関係だと考えていたし、「待つ時間がもったいない」なんて言い、平然と信号無視をしていた。


不幸自慢などしたくはないし、自分の事故を引き合いに出すのは嫌だが、どうしても、これだけは言いたかった。

健常者の体が安全に保たれているのは当たり前のことではない。

そう知った一件である。》