「ミオに悪いとこなんて、ひとつもない」
「……だったら、また、前の私達に戻ろうよ……!
マサキ、来年からこっちに住むんだよね?
それまで遠距離になるのは寂しいけど、別れてた時に比べたらマシだし、耐えられるから……!」
高校の時みたいに、マサキのことを考えても許される日々を、取り戻したい……!
「私、マサキが好きなんだよ……!
マサキも同じ気持ちでいてくれるのなら、お願い……!
これからまた、一緒に歩きたい……!」
マサキがいれば、人生のつらいことや苦しいことも乗り越えていける……!
何の確証もないけど、心がそう言っている。
マサキはためらうように私の頬に手を伸ばすと、前髪をかきわけ、私のおでこにキスをした。
「……足りないよ、マサキ。
もっと、マサキのこと感じたい……」
もう、マサキしかいらない。
他の何を失ってもいいから、心も体も、マサキに満たされていたい。
私は、濡れた瞳でマサキを見つめる。
こたえるように、マサキは自分の唇で私のそれを熱くふさいだ。


