うつむいて涙する私を、マサキは正面から抱きしめてくれた。
懐かしいにおい。
私は、この感覚をすみずみまで覚えている……。
マサキのぬくもりが体中にしみて、よけいに泣くのをやめられなかった。
「……ミオ、ごめん。
全部、俺が悪いんだ。
今も、あの時も、ミオの気持ち考えられなくて、本当にごめん……」
「謝ってほしいわけじゃない!
私はただ、マサキのそばにいられれば、それで良かったのに……。
何も言わずに私の前から消えて、いなくなったと思ったら、突然現れて……!
同窓会に行く時、私がどれだけ悩んだか分かる!?
なのにマサキは、何食わぬ顔でやってきて、前みたいな感じで接してきてさ……!
今だって……。
なんなのいったい……。
これ以上、私の気持ちを乱さないで!」


