大学生になって感動したことと言えば、二ヶ月近くある長い長い夏休み。
テンションマックス!
目一杯あそぶため、私達はいろんな計画を立てた。
海水浴や花火大会に行くのはもちろん、廃校になった校舎に肝試しをしに行ったり、みんなでマサキの家に泊まるという話も出た。
マサキも、私達が楽しめるようにと、張り切って準備すると言ってくれた。
けれど、夏休みになると、マサキからの連絡は何の前触れもなく途絶えてしまう。
彼の身内に不幸があったのかな?
体調が悪いのかな?
最初は、マサキの身に何かが起きたのだろうと心配をしていたけど、夏休み中、とうとう、マサキから連絡が来ることはなかった。
冷静でいられなかった私は、マサキに何度も電話をかけた。
アサミとアサミの彼氏の協力で、ようやくマサキと会えることになったのは、夏休み明け。
「ミオにだけ、連絡しなかった」
高台にある公園の東やで、マサキはたしかにそう言った。
「なんで、私にだけ、なの?
アサミには連絡してたんだよね?
何があったの?」
訊いてもマサキは答えてくれず、その代わりと言うように、
「俺は、ミオを幸せにできない。
だから、もう別れよう……」
「え……」


