謝られたってどうしようもできないし、満たされない。
やっぱり、私よりヒロの方が大事なの?
関係を深めたい、って、先をいそぐ私はせっかち……?
耐えられなくて、過去のマサキを責めた。
「……ヒロにばっかり大事なこと話して、ずるいよ。
私だって、マサキの相談聞いてあげたかった。
彼女だったんだよ、私。
なのに、マサキは連絡もくれないし、大学だって、相談もなく急にやめてさ……!
私が甘えっぱなしだったせいもあるかもしれないけど、それでも、あの別れ方はひどいよ!
ずっと、ずっと、マサキのせいで、恋なんかできなかった……!」
電車の中でアサミが私に言っていたことの意味が、ようやく理解できた。
大切な人に頼りにされないのは、すごくきつい。
これでもかというほど、自分の無力感を思い知らされてしまう……。
相手の苦労が大きければ大きいほど、なおさらそう感じる。
ひどくいらつくのは、マサキに対してだけではない。
マサキが大変だったかもしれない時期に、何の助けにもなれなかった自分。


