ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


謝られたってどうしようもできないし、満たされない。

やっぱり、私よりヒロの方が大事なの?

関係を深めたい、って、先をいそぐ私はせっかち……?

耐えられなくて、過去のマサキを責めた。

「……ヒロにばっかり大事なこと話して、ずるいよ。

私だって、マサキの相談聞いてあげたかった。

彼女だったんだよ、私。

なのに、マサキは連絡もくれないし、大学だって、相談もなく急にやめてさ……!

私が甘えっぱなしだったせいもあるかもしれないけど、それでも、あの別れ方はひどいよ!

ずっと、ずっと、マサキのせいで、恋なんかできなかった……!」

電車の中でアサミが私に言っていたことの意味が、ようやく理解できた。

大切な人に頼りにされないのは、すごくきつい。

これでもかというほど、自分の無力感を思い知らされてしまう……。

相手の苦労が大きければ大きいほど、なおさらそう感じる。


ひどくいらつくのは、マサキに対してだけではない。

マサキが大変だったかもしれない時期に、何の助けにもなれなかった自分。