ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


「アサミ……」

「店を出てく時のミオの顔見て、思ったんだ。

こんな顔してるミオ、もう見たくないって」

私、やっぱり、“何でもないフリ”なんて、できてなかったんだな……。

うつむく私に、アサミは真面目な顔を向けた。

「でも……。まだ、ちょっと心配はある。

ミオは、マサキと向き合ったら、つらい思いをするかもしれない。

その時は、あたしを頼ってほしい」

「うん……!」

約束するよ。

「アサミも、何かあったら私に相談してね」

アサミは微笑することでイエスを示す。

「ヒロとマサキも、店の外でミオのこと待ってる」

「沙織ちゃんは?」

「ミオが出てってから、沙織ちゃんの話なんて知らないうちに流れてたよ。

マサキ、血相変えて店出ようとしててさ。

最初、あたしじゃなくてマサキがミオを追いかけようとしてた。

でも、二人がうまくいく前に、あたし、こういうことちゃんとミオに話しておきたかったから。

それに、ミオに彼氏がいるのはウソって、マサキに言っといたよ」

「……! ありがとう」

この先、何があっても逃げ出さない。

「マサキと別れたことに比べれば、つらいことなんてないから、大丈夫」