私だけ、先に帰ろうかな……。
みんな、ここに私がいない方が、変な気遣わず楽しめるだろうし……。
それに、アサミとヒロは、私とマサキがヨリを戻すのに反対しているし、これ以上、ここにはいない方がいい。
帰りたい。
ここから遠ざかりたい。
私のそんな気持ちを強めたのは、沙織ちゃんの再登場だった。
夜9時半過ぎ。
来店した頃より、店内のざわつきもおさまりつつある。
何人かの客が帰り、忙しい時間帯に比べ、店員もヒマなんだろう。
沙織ちゃんが、私達の席にやってきた。
「あの、今度、一緒に行ってほしいところがあるんですけど……」
沙織ちゃんは、マサキにチケットらしきものを2枚見せた。
「もちろん、マサキさんがこっちに居る間でいいんです。
私、マサキさんの都合に合わせますから……」
沙織ちゃんが差し出したのは、いま流行っているアクション映画の前売り券だった。
「それ、マサキも観たがってたし、行ったらいいじゃん!」
ヒロが、勧める。


