アサミは「へえ、あんな若くても副店長とかなれるんだね」と、普通に返し、意味ありげにマサキとヒロを交互に眺めた。
「今日、ヒロ達がここに来たのは、奈良さんがマサキと会いたがってたからだよね?
もしかして、奈良さんって、マサキの小説の読者…だとか?」
「……!」
それまで誰とも目を合わそうとしなかったマサキが目を見開き、疑うような目つきでアサミとヒロを見つめた。
「マサキ、ごめん……!
今朝、マサキが寝てる間にアサミから電話がきて、ここに来ることになったワケ話しちゃったんだ……!」
ヒロは観念し、マサキに謝る。
マサキは何か言いたげにしつつも、
「いや、まあ、いいけど……。
ミオとアサミが来た時から、ヒロが何かしたんだろうなって、だいたいの想像はついた。
アサミは、俺の小説読んだの?」
「最初の方だけね。
今、他に集中して読んでる小説あるから、マサキのは後回し」
アサミは平然とそんなウソをつく。
それを信じたマサキは安堵(あんど)の表情を浮かべ、グラスに残ったカクテルを一気飲みした。


