ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


電車がレールを滑る音が、駅を中心に近隣へと響きわたる。

私達の目指す居酒屋は、駅のロータリーを出て、目と鼻の先にあった。


「ヒロ達、もう、中にいるって」

新築なのに古めかしい雰囲気の居酒屋に着くと、アサミはこわばった顔で、スライド式の扉を開けた。

アサミに続く形で、私も店内に入る。


昨日の同窓会会場とは違い、気楽に入れる、活気あふれた居酒屋だ。

焼き鳥メニューの充実した店。

常に客の笑い声が絶えない店内。

サラリーマンより、学生らしき客の方が多かった。

ビールや焼酎、タバコのにおいをかき消すように、焼きたて焼き鳥の香りが強く漂ってきた。

早くも食欲を刺激される。

そういえば、まだ夕食を食べていない。


腹の音に気づかないフリで、私はアサミについていった。


店内最奥。

掘ごたつ式の4人用ボックス席に、マサキ達はいた。

ヒロとマサキは、向かい合って座っている。

二人のテーブル脇には、店員らしき男女が立っている。

店員二人は、腰をおろしているヒロ達に、何か話しているみたいだ。

25~6歳くらいの男性と、高校生くらいの女の子。

おそらく、あの男性がヒロの大学の先輩で、店の副店長をしている人なんだろう。

女の子は、バイトのコかな?

二人とも、この店のロゴが入ったTシャツを着ている。