ケータイ小説 『肌』 著:マサキ


サクと一緒にいて気が楽なのは、そのせいもある。

楽観的なサクといると、現実を見ずに済んだから。


でも、こうしてひとりになると、自分自身のダメさ加減と向き合わなきゃならなくて、ひどく不安な気持ちになった。

この先、私はどうなるんだろう……?


私の就活がうまくいってないと気付いた近所のおじさんに、

「ミオちゃんは若いから、まだどうにでもなるって!

世の中は広いからなぁ、結婚しようが就職しようが、選び放題だ!

いいなぁ、若いってのはよぉ」

と言われたりするけど、元気になるどころかよけいに落ち込んだ。


……もし、あの頃マサキと別れなかったら、

今でも、私のそばにマサキがいてくれたとしたら、

ちょっとは違っていたかな。


マサキと別れて変わったことはたくさんある。

単なる男友達だったサクと、体の関係になった。

真剣な恋をできなくなった。

誰に対しても、深入りできなくなった。

そう。あんなに仲良くしてた幼なじみのアサミに対しても……。