蒼穹に向かって飛んでいく色とりどりの風船たち。それを見送る大きな鐘の音と人々の歓声が、私の耳から他の音を奪い去った。
坂の上にある教会。
その階段に集まるフォーマルな衣装を着た人々。
そして。
その人々に祝福の雨を降らされながら下りてくる、今、ここで一番幸福な2人が……無音の世界でゆっくりと動いていた。
じり、と喉の奥が焦れる。
ぎゅっと、拳を握り締める。
カラァーン、と鐘が鳴る。
しあわせな2人を真夏の強い日差しが白に染め上げる。
ああ、このまま、消えてしまえばいい。
私の目から、記憶から、真っ白に消えて無くなってしまえばいい。
「結婚式だぁ……!」
そんな花音ちゃんの感嘆の声が聞こえてきて、私は白の世界から現実へと戻されるた。
「先生っ、見に行きましょうっ」
結婚式も、ウェディングドレスも、女の子の憧れの象徴。
白い頬を染めて目を輝かせている花音ちゃんの、願いを叶えてあげたいのは山々だけれど。
……やっぱり、足が、動かない。
坂の上にある教会。
その階段に集まるフォーマルな衣装を着た人々。
そして。
その人々に祝福の雨を降らされながら下りてくる、今、ここで一番幸福な2人が……無音の世界でゆっくりと動いていた。
じり、と喉の奥が焦れる。
ぎゅっと、拳を握り締める。
カラァーン、と鐘が鳴る。
しあわせな2人を真夏の強い日差しが白に染め上げる。
ああ、このまま、消えてしまえばいい。
私の目から、記憶から、真っ白に消えて無くなってしまえばいい。
「結婚式だぁ……!」
そんな花音ちゃんの感嘆の声が聞こえてきて、私は白の世界から現実へと戻されるた。
「先生っ、見に行きましょうっ」
結婚式も、ウェディングドレスも、女の子の憧れの象徴。
白い頬を染めて目を輝かせている花音ちゃんの、願いを叶えてあげたいのは山々だけれど。
……やっぱり、足が、動かない。


