Raindrop~Mikoto side

「ああ、あの、ごめんなさい。……きちんと譜読みをしてきてくれたのね。とても……素敵な解釈だと、思うわ。ふふ、思わず涙が出てしまうくらい」

慌てて涙を拭って椅子に座り、鍵盤の上に手を乗せる。

「今度は伴奏付きでやってみましょう。今の感じで大丈夫だから……」

涙を誤魔化すようにピアノを弾き始めたけれど、和音くんはヴァイオリンを弾かず、ただじっと私を見ていた。

「すみません。泣かせようと思ったわけではないんです」

「……ええ、分かっているわ」

貴方はただ、私のために。

その気持ちが嬉しいから、私もそれに応えたいと思う。

直接触れ合うことはなくても、私たちは音を重なり合わせることは出来る。

言葉にすることは出来なくても、音で想いを伝えることができる。

そう思いながらピアノを奏でていたら、和音くんがその上にヴァイオリンの音を乗せてきてくれた。


星が瞬く。

小さな声で、蜜事のように。

『愛している』と囁く。