一気に自信がなくなって、不安な顔で律花さんを見つめた。
それに気づいた律花さんはにこりと微笑んで。
「じゃあ、今度は水琴ちゃんにも弾いてもらいましょうか」
……と。
美しすぎる微笑で言った。
「そうですね。水琴さんの演奏も聴きたいです」
和音くんも綺麗な微笑。
そして拓斗くんや花音ちゃんの期待に溢れた視線が痛いほどに突き刺さる。
ああ、でも、逃げられない。
私も一応プロの端くれ。中学生の演奏を聴いて自信を失くしましたなんて、言えるわけがない。
「分かりました。それじゃあ……」
曲は何がいいかと考えて。
ゆったりとした昼下がりの、穏やかな日差しに包まれたお庭の様子を窓越しに見て、ブラームスの『日曜日』を選んだ。
ほんの少し共に過ごしただけで、とても仲が良いのだと分かる家族を、優しく包み込む春の日差しをイメージして。
──でも。
羨ましい、と心の奥底で思いながら浮かび上がる風景は。
幼い頃の、自分の家だった。
それに気づいた律花さんはにこりと微笑んで。
「じゃあ、今度は水琴ちゃんにも弾いてもらいましょうか」
……と。
美しすぎる微笑で言った。
「そうですね。水琴さんの演奏も聴きたいです」
和音くんも綺麗な微笑。
そして拓斗くんや花音ちゃんの期待に溢れた視線が痛いほどに突き刺さる。
ああ、でも、逃げられない。
私も一応プロの端くれ。中学生の演奏を聴いて自信を失くしましたなんて、言えるわけがない。
「分かりました。それじゃあ……」
曲は何がいいかと考えて。
ゆったりとした昼下がりの、穏やかな日差しに包まれたお庭の様子を窓越しに見て、ブラームスの『日曜日』を選んだ。
ほんの少し共に過ごしただけで、とても仲が良いのだと分かる家族を、優しく包み込む春の日差しをイメージして。
──でも。
羨ましい、と心の奥底で思いながら浮かび上がる風景は。
幼い頃の、自分の家だった。


