Raindrop~Mikoto side

「……私は。『一緒に逃げよう』って、言って欲しかった。本当は別れたくなんかなかった」

伝えられなかった想いと、伝わらなかった想い。

ずっと苦しい想いで隠してきたものを交わらせたら、なんだか胸の奥がすうっとした。

『それが君の本心だったのか』

勇人さんの声も、心なしか晴れやかになった気がする。

「うん。でも……もう」

『ああ』

“好き”の形が変わってしまった。

『君との未来が見えなくなって落ち込んでいた俺を懸命に励ましてくれた彼女と、離れようとは思わない。……それが俺の答えだ』

私が彼との未来にもう花を咲かせられないと感じたように。

勇人さんも同じように感じていた。

少なからずそれはショックだったけれど。

でも、頷けた。

「うん……私も。貴方を取り戻そうとは思わない」

『そっか』

勇人さんは笑った。

『ちゃんと言わないと駄目だな。俺も、君も……。今度は間違わないようにしたいな』

「うん」