「わーかーるーっ! でさでさ、ラストでお煉が惣右介の愛用のタバコ入れを見つけるじゃない?」
「お煉はそれからずっとタバコ入れを手放さないんですよね。確か財布にしてたような」
「そうそう。そーなのよお。あんなに勝気なのに、健気ってところが愛おしいのよねー。
やだ、美弥緒ちゃんって結構筋金入りねー?」
「すんまっせーん、話戻してくれませんかー」
気分が盛り上がっているところに、無粋な三津の声。
「なによ、ヒジリ。あたし身近に護衛隊いなかったからすっごく嬉しいんだから!」
「あ、あたしはじいちゃんが護衛隊です! でも他にいなくって」
「オマエらの時代劇談義は後にしてくれ。オレのほうが今は大事な話だろ」
三津はあたしに再び真面目な視線を向けた。
「で、家出なわけ? 悩みがあるってんなら、気があうようだし柚葉に相談すればいい。柚葉は結構頼れるから、安心しろよ」
「え、えと……」
どうしよう。
ちらりと柚葉さんを見た。
大丈夫よ、というようににこりと笑ってくれた。
三津に視線を戻せば、
「オレでも構わないけど。男関係の悩みだっつーんなら、柚葉より的確な答えだせるかもしんないし。つーか、そっち方面は得意ー」
表情をへにゃ、と崩して笑った。
……うん、この人たちを信じてみよう。
本当のことを話してみよう、そう思った。
加賀父の行き先が分からない以上、あたしはどうにもできない。
三津の言う通り、宿もないし、お金もない。
このままでは、すぐにでもあたしとイノリの捜索の旅は積んでしまうだろう。
それに、元の時代に戻れる手がかりもまだ何も見つかっていない。
あたし一人で考えるよりも、柚葉さんたちに相談したほうが、いい案がでるかもしれない。
というか、あたし一人じゃどうにもならない気がする。
それに、なんと言うか、本音はやっぱり少し不安なのだ。
ここにきて、大人の2人に出会ったことで、安心してしまったのだろうか。
護衛隊の柚葉さんなら、観察力のある三津なら、どうにかしてくれるかもしんない、とかちょっぴり期待してしまう。
「あの、冗談とか、オフザケとかで言うわけじゃないんで、最後まであたしの話を聞いてくれますか……?」
姿勢を正して言うと、二人は同じように背筋を伸ばした。
「いいよ」
「おう。どんな話でも、来いや」
どん、と胸を叩いた三津が、げっほげっほと咽る。
うーん、大人、なんだよね?
せっかくの安心を不安に変えないでもらいたい。
しかし、この人たちを信じて頼ってみよう。
よし、とこぶしを両膝にこつんとぶつけて、告白した。
「実はあたし、9年後の未来から来たんです」
きょとん、とした二人。
予想外の言葉だったに違いない。
しかし、ここは信じてもらわないと困る。
「お煉はそれからずっとタバコ入れを手放さないんですよね。確か財布にしてたような」
「そうそう。そーなのよお。あんなに勝気なのに、健気ってところが愛おしいのよねー。
やだ、美弥緒ちゃんって結構筋金入りねー?」
「すんまっせーん、話戻してくれませんかー」
気分が盛り上がっているところに、無粋な三津の声。
「なによ、ヒジリ。あたし身近に護衛隊いなかったからすっごく嬉しいんだから!」
「あ、あたしはじいちゃんが護衛隊です! でも他にいなくって」
「オマエらの時代劇談義は後にしてくれ。オレのほうが今は大事な話だろ」
三津はあたしに再び真面目な視線を向けた。
「で、家出なわけ? 悩みがあるってんなら、気があうようだし柚葉に相談すればいい。柚葉は結構頼れるから、安心しろよ」
「え、えと……」
どうしよう。
ちらりと柚葉さんを見た。
大丈夫よ、というようににこりと笑ってくれた。
三津に視線を戻せば、
「オレでも構わないけど。男関係の悩みだっつーんなら、柚葉より的確な答えだせるかもしんないし。つーか、そっち方面は得意ー」
表情をへにゃ、と崩して笑った。
……うん、この人たちを信じてみよう。
本当のことを話してみよう、そう思った。
加賀父の行き先が分からない以上、あたしはどうにもできない。
三津の言う通り、宿もないし、お金もない。
このままでは、すぐにでもあたしとイノリの捜索の旅は積んでしまうだろう。
それに、元の時代に戻れる手がかりもまだ何も見つかっていない。
あたし一人で考えるよりも、柚葉さんたちに相談したほうが、いい案がでるかもしれない。
というか、あたし一人じゃどうにもならない気がする。
それに、なんと言うか、本音はやっぱり少し不安なのだ。
ここにきて、大人の2人に出会ったことで、安心してしまったのだろうか。
護衛隊の柚葉さんなら、観察力のある三津なら、どうにかしてくれるかもしんない、とかちょっぴり期待してしまう。
「あの、冗談とか、オフザケとかで言うわけじゃないんで、最後まであたしの話を聞いてくれますか……?」
姿勢を正して言うと、二人は同じように背筋を伸ばした。
「いいよ」
「おう。どんな話でも、来いや」
どん、と胸を叩いた三津が、げっほげっほと咽る。
うーん、大人、なんだよね?
せっかくの安心を不安に変えないでもらいたい。
しかし、この人たちを信じて頼ってみよう。
よし、とこぶしを両膝にこつんとぶつけて、告白した。
「実はあたし、9年後の未来から来たんです」
きょとん、とした二人。
予想外の言葉だったに違いない。
しかし、ここは信じてもらわないと困る。



