実を言えば、カッターシャツの襟元の色があたしと同じだったから、全員同級生だということは分かっていた。
もっと言えば、理恵の友達なのだろうということも。
だけど何故か、それを言いたくない、と思った。
「そうか……。じゃあ、どうして呼び出しなんてされたのかは分かるよね?
何か理由を言われただろ?」
「え、えーと」
「祈くんに手を出すな、じゃないかな?」
答えたのは、葵ちゃんだった。
驚いたあたしに、慌てたように続けた。
「あ、あの。実はね、話を聞いたってさっき言ったのは、
トイレの個室に入ってるときに、外での話を盗み聞きしちゃっただけなんだ。
で、美弥緒ちゃんの他に、祈くんの名前もいっぱい出てたから、そうかなって思ったんだけど……。
ほら、祈くんが美弥緒ちゃんのこと好きだっていうのは、最近じゃ有名な話でしょ?
あ、違ったのなら、ごめんなさい」
「ああ、いや、別に。まあ。そんなことも言われた、かも」
申し訳なさそうに頭を下げる葵ちゃんに、もごもごと答える。
「大澤のことを好きな子たち、ってことか……」
穂積がため息をついた。
「あいつ、美弥緒以外見えてないって感じだからな。それで反感を買っちゃったわけか」
「でも、こんなことしたって、祈くんが振り向いてくれるわけじゃないのにね」
考え込むように俯いた穂積に、葵ちゃんが言う。
「複数で囲んで罵って暴力振るって。しかもこんな怪我させてるんだよ?
それが祈くんに知られたらどうなるか、ってこと考えもしなかったのかな」
「あ、あの、葵ちゃん。もう」
もう言わなくていいから、そう言おうとしたのに。
葵ちゃんは続けた。
「しかも、美弥緒ちゃんがヤラせたから祈くんが好きって言ってるんだ、なんて酷いことまで言っちゃってたのよ」
「なにそれ」
穂積が顔をあげた。
「どういうこと、葵ちゃん」
「そう言ってたんだよ、彼女たち。
こんなこと口にしたくないけど……股を開いたんでしょ? って」
躊躇うようにゆっくりと吐き出された言葉に穂積の顔が歪んだ。
下唇をぎゅ、と噛んだかと思うと、その顔を見られたくないという風に逸らした。
「あ、葵ちゃ……」
どうしてそんなことまで、と言いかけたあたしは、ふと気が付いて口を噤んだ。
なんで知ってるんだ?
もっと言えば、理恵の友達なのだろうということも。
だけど何故か、それを言いたくない、と思った。
「そうか……。じゃあ、どうして呼び出しなんてされたのかは分かるよね?
何か理由を言われただろ?」
「え、えーと」
「祈くんに手を出すな、じゃないかな?」
答えたのは、葵ちゃんだった。
驚いたあたしに、慌てたように続けた。
「あ、あの。実はね、話を聞いたってさっき言ったのは、
トイレの個室に入ってるときに、外での話を盗み聞きしちゃっただけなんだ。
で、美弥緒ちゃんの他に、祈くんの名前もいっぱい出てたから、そうかなって思ったんだけど……。
ほら、祈くんが美弥緒ちゃんのこと好きだっていうのは、最近じゃ有名な話でしょ?
あ、違ったのなら、ごめんなさい」
「ああ、いや、別に。まあ。そんなことも言われた、かも」
申し訳なさそうに頭を下げる葵ちゃんに、もごもごと答える。
「大澤のことを好きな子たち、ってことか……」
穂積がため息をついた。
「あいつ、美弥緒以外見えてないって感じだからな。それで反感を買っちゃったわけか」
「でも、こんなことしたって、祈くんが振り向いてくれるわけじゃないのにね」
考え込むように俯いた穂積に、葵ちゃんが言う。
「複数で囲んで罵って暴力振るって。しかもこんな怪我させてるんだよ?
それが祈くんに知られたらどうなるか、ってこと考えもしなかったのかな」
「あ、あの、葵ちゃん。もう」
もう言わなくていいから、そう言おうとしたのに。
葵ちゃんは続けた。
「しかも、美弥緒ちゃんがヤラせたから祈くんが好きって言ってるんだ、なんて酷いことまで言っちゃってたのよ」
「なにそれ」
穂積が顔をあげた。
「どういうこと、葵ちゃん」
「そう言ってたんだよ、彼女たち。
こんなこと口にしたくないけど……股を開いたんでしょ? って」
躊躇うようにゆっくりと吐き出された言葉に穂積の顔が歪んだ。
下唇をぎゅ、と噛んだかと思うと、その顔を見られたくないという風に逸らした。
「あ、葵ちゃ……」
どうしてそんなことまで、と言いかけたあたしは、ふと気が付いて口を噤んだ。
なんで知ってるんだ?



