イノリの答えに、そっかそっかと頷く。


「あたしもさ、答えが聞けてよかった。ほら、あの時は何が正しいのか分かんないって言っただろ?」

「そうだったな。答えが分かったら教えるって言ったな、俺」

「そうそう」


森の中での会話を思い出していた。

あの時は、大人になったら分かるよ、なんて言ったけど、9年後でもう分かってるなんてすごいよ、イノリ。
やっぱりあの父親たちの子どもなんだな。


嬉しくてぱくぱくとゼリーを食べた。


「やー、よかった」

「心配、してたのか?」

「そりゃするだろ」


言うと、イノリは自分の分のゼリーのお皿を寄越した。


「これ食え」

「え。いいの?」

「なんならデザートも食え」

「? あ、ありがとう」


どうしてだかイノリはとろとろプリンまでくれて、あたしは二人分のデザートを胃袋の収めた。どう考えても明日からダイエットです。ありがとうございました。