む、としたように眉間にシワを刻み、イノリはトマトを口に放った。
そっぽを向いたまま咀嚼する。
「ホヅミ、ねー。仲良さそうだよなあ、なんか。それに、美弥緒だなんて名前で呼ばせてさー」
「何、不機嫌になってんだよ。つーか、名前を呼ぶくらいはいいだろ。ほら、向こうはもうミャオって呼んでないわけだし」
「……ハイハイ、ソウデスネー」
あー、失敗した。
穂積の名前が出た時点で話を変えておけばよかったか。
でも、名前の呼び方なんていちいち気にするほどのことじゃないだろ。
変なところで子どもらしさが抜けてないんだよな、こいつは。
イノリはそっぽを向いたまま、もしゃもしゃとトマトを食べている。
うーむ、どうしたもんかな、これは。
「みーちゃーん、いらっしゃーい」
と、人影が差したかと思えば、それはコックコート姿の三津だった。
「あれ、三津! 仕事中なのにいいの!?」
「少し手が空いたから平気! みーちゃんさー、昨日美花ちゃんにお祝いくれたんだってな。サンキュな」
「あ、いえいえ。大したものじゃないんで」
美花ちゃんに、レースふりふりのベビードレスをプレゼントしたのだった。
小さな服を選ぶのは楽しかったです!
「柚葉がかわいいっつって喜んでたよ。で、これはオレからのサービスでっす」
コトンと置かれた二つのお皿には、ふるふると揺れる透明なゼリーが乗っていた。
中には真っ赤な何かが入っていて、青々したミントの葉とのコントラストが目に鮮やかで綺麗。
「夏限定の、フルーツトマトのゼリーだよ」
「うわあ、この赤いのってトマトなんだ!? すごい、美味しそう」
「美味しそうじゃなくて、美味しいのだよ、みーちゃん。
で、二人ともデートですか? ぬふふ、ぐえっ」
やらしい笑みを浮かべる三津の腹に、軽く拳を入れておいた。
「学校帰りにごはん食べに来ただけデス」
「そ、そうすか。でも、ほら、その、なんか仲良さそうな感じだったからさ」
なあ? と同意を求める三津に、イノリは表情をぱっと明るくした。
「そう? そうかな、三津さん」
「おう。仲よさげで中々雰囲気よかったぞー、祈」
三津がぐりぐりと頭を撫でるのを、大人しく受け入れるイノリ。
あー、こういうところは小さい頃のまんまなんだなー。
少し嬉しそうにしているイノリの顔に、6歳の名残を感じる。
つーか、イノリの機嫌が良くなったな。
三津、いいタイミングで来てくれたかも。
仲むつまじい二人の様子を眺めながら、早速トマトゼリーを口に運んだ。
野菜だと思うと少し躊躇うが、見た目はすごく美味しそうなのだ。
うああ、どんな味なんだろ、気になる。
…………おお、甘酸っぱくて美味しい。トマトの風味がして、でも野菜っていうよりこの甘さは果物だ! まさにフルーツなトマト!
三津(が作ったのかどうか知らんが)、ほんとにすげえ。
そっぽを向いたまま咀嚼する。
「ホヅミ、ねー。仲良さそうだよなあ、なんか。それに、美弥緒だなんて名前で呼ばせてさー」
「何、不機嫌になってんだよ。つーか、名前を呼ぶくらいはいいだろ。ほら、向こうはもうミャオって呼んでないわけだし」
「……ハイハイ、ソウデスネー」
あー、失敗した。
穂積の名前が出た時点で話を変えておけばよかったか。
でも、名前の呼び方なんていちいち気にするほどのことじゃないだろ。
変なところで子どもらしさが抜けてないんだよな、こいつは。
イノリはそっぽを向いたまま、もしゃもしゃとトマトを食べている。
うーむ、どうしたもんかな、これは。
「みーちゃーん、いらっしゃーい」
と、人影が差したかと思えば、それはコックコート姿の三津だった。
「あれ、三津! 仕事中なのにいいの!?」
「少し手が空いたから平気! みーちゃんさー、昨日美花ちゃんにお祝いくれたんだってな。サンキュな」
「あ、いえいえ。大したものじゃないんで」
美花ちゃんに、レースふりふりのベビードレスをプレゼントしたのだった。
小さな服を選ぶのは楽しかったです!
「柚葉がかわいいっつって喜んでたよ。で、これはオレからのサービスでっす」
コトンと置かれた二つのお皿には、ふるふると揺れる透明なゼリーが乗っていた。
中には真っ赤な何かが入っていて、青々したミントの葉とのコントラストが目に鮮やかで綺麗。
「夏限定の、フルーツトマトのゼリーだよ」
「うわあ、この赤いのってトマトなんだ!? すごい、美味しそう」
「美味しそうじゃなくて、美味しいのだよ、みーちゃん。
で、二人ともデートですか? ぬふふ、ぐえっ」
やらしい笑みを浮かべる三津の腹に、軽く拳を入れておいた。
「学校帰りにごはん食べに来ただけデス」
「そ、そうすか。でも、ほら、その、なんか仲良さそうな感じだったからさ」
なあ? と同意を求める三津に、イノリは表情をぱっと明るくした。
「そう? そうかな、三津さん」
「おう。仲よさげで中々雰囲気よかったぞー、祈」
三津がぐりぐりと頭を撫でるのを、大人しく受け入れるイノリ。
あー、こういうところは小さい頃のまんまなんだなー。
少し嬉しそうにしているイノリの顔に、6歳の名残を感じる。
つーか、イノリの機嫌が良くなったな。
三津、いいタイミングで来てくれたかも。
仲むつまじい二人の様子を眺めながら、早速トマトゼリーを口に運んだ。
野菜だと思うと少し躊躇うが、見た目はすごく美味しそうなのだ。
うああ、どんな味なんだろ、気になる。
…………おお、甘酸っぱくて美味しい。トマトの風味がして、でも野菜っていうよりこの甘さは果物だ! まさにフルーツなトマト!
三津(が作ったのかどうか知らんが)、ほんとにすげえ。



