横顔を窺えば、ちらりと視線だけ寄越し、にこりと笑われた。
「それとも、ここに残る? 俺、一生面倒みるけど?」
ぎゃー!!!!!!!!!!
これ完全に死亡フラグ!
あたしの一生はここで終了します!
終了! お疲れ様でした!
「あ、あの、あのですね!」
「なに?」
「そんなこと言われたら、寝るというより気絶しそうなんですけど! つか、寿命をまっとうしそうなんですけど!」
叫ぶように言った。
ぶ、と吹いて、それから大爆笑する加賀父を、涙の滲んだ目でむうと睨む。
「そういうの、すんごく弱いので止めてください。あたしがここで死んだら困るでしょう?」
「あはは、ご、ごめん、それは困るかも、うん」
「さっきのは完全に昇天するかと思ったんですよ!? 止めてください!」
昇天! と再び爆笑の渦に巻き込まれる加賀父。
くそう、金吾様でなかったらこんな弱気にはならないのに。
「い、いや、でも結構本気だよ? 君みたいな魅力的な子なら、一生面倒みさせてほしいね」
「ちょ! だから、そういうからかいはだめです! 死にますよ、心臓発作的な感じで」
「わかった、言いません言いません。
でも、魅力的というのは本当だよ?
自分を差し置いて、他人のために色々できる子なんて、そうはいないよ。祈のためにたくさんのことをしてくれただろ?」
「いや、魅力的ではないですってば。
あたしはただイノリに付いていけば、自分の為になると思ったから一緒にいたまでですよ。一緒にいたら元の時代に帰れると思ったから……あ、ヤベ」
後ろのイノリの存在を忘れてた!
慌てて振り返れば、イノリはおにぎりを片手にすうすうと眠っていた。
口の端にご飯粒をくっつけている。
「あ。イノリ、寝てますよ」
車は相変わらず乱暴な走行なのだが、いやー、子どもってすごい。
どんなとこでも寝れるのね。
って、そんなあたしはこの運転にも随分馴染んできたようですが。
「寝てるのかな、とは思った。俺が美弥緒ちゃんを口説いてるのに文句言わないからさ」
「な!? そんなことで判断しないでください! つか、口説くとか言うのは禁止で!」
「あ、昇天されたら困るから下手なこと言うのは止めとこう。
で、話の続きだけど、そういう風に言っても、君は打算的に動いたんじゃないことくらいわかるよ。
それなら祈があれほどなつくわけがないんだから」
「は、あ……」
「誰が裏心なく接してくれるか、優しくしてくれるか、子どもはそういうのを本能的に察知するから。
祈を見ていれば、君がどんなにいい子なのかなんて、簡単にわかる」
「いや、誉めすぎですよ、そんなの。あたしはいい子とかそんな大層なモンじゃないですし」
「ふむ……。美弥緒ちゃんはさー、変なところが弱気だよね。自分に自信を持っていないというか、諦めてるというか」
「は……。そう、ですか?」
「うん。自分の良さを少しは知ったほうがいいよ」
「…………」
「それとも、ここに残る? 俺、一生面倒みるけど?」
ぎゃー!!!!!!!!!!
これ完全に死亡フラグ!
あたしの一生はここで終了します!
終了! お疲れ様でした!
「あ、あの、あのですね!」
「なに?」
「そんなこと言われたら、寝るというより気絶しそうなんですけど! つか、寿命をまっとうしそうなんですけど!」
叫ぶように言った。
ぶ、と吹いて、それから大爆笑する加賀父を、涙の滲んだ目でむうと睨む。
「そういうの、すんごく弱いので止めてください。あたしがここで死んだら困るでしょう?」
「あはは、ご、ごめん、それは困るかも、うん」
「さっきのは完全に昇天するかと思ったんですよ!? 止めてください!」
昇天! と再び爆笑の渦に巻き込まれる加賀父。
くそう、金吾様でなかったらこんな弱気にはならないのに。
「い、いや、でも結構本気だよ? 君みたいな魅力的な子なら、一生面倒みさせてほしいね」
「ちょ! だから、そういうからかいはだめです! 死にますよ、心臓発作的な感じで」
「わかった、言いません言いません。
でも、魅力的というのは本当だよ?
自分を差し置いて、他人のために色々できる子なんて、そうはいないよ。祈のためにたくさんのことをしてくれただろ?」
「いや、魅力的ではないですってば。
あたしはただイノリに付いていけば、自分の為になると思ったから一緒にいたまでですよ。一緒にいたら元の時代に帰れると思ったから……あ、ヤベ」
後ろのイノリの存在を忘れてた!
慌てて振り返れば、イノリはおにぎりを片手にすうすうと眠っていた。
口の端にご飯粒をくっつけている。
「あ。イノリ、寝てますよ」
車は相変わらず乱暴な走行なのだが、いやー、子どもってすごい。
どんなとこでも寝れるのね。
って、そんなあたしはこの運転にも随分馴染んできたようですが。
「寝てるのかな、とは思った。俺が美弥緒ちゃんを口説いてるのに文句言わないからさ」
「な!? そんなことで判断しないでください! つか、口説くとか言うのは禁止で!」
「あ、昇天されたら困るから下手なこと言うのは止めとこう。
で、話の続きだけど、そういう風に言っても、君は打算的に動いたんじゃないことくらいわかるよ。
それなら祈があれほどなつくわけがないんだから」
「は、あ……」
「誰が裏心なく接してくれるか、優しくしてくれるか、子どもはそういうのを本能的に察知するから。
祈を見ていれば、君がどんなにいい子なのかなんて、簡単にわかる」
「いや、誉めすぎですよ、そんなの。あたしはいい子とかそんな大層なモンじゃないですし」
「ふむ……。美弥緒ちゃんはさー、変なところが弱気だよね。自分に自信を持っていないというか、諦めてるというか」
「は……。そう、ですか?」
「うん。自分の良さを少しは知ったほうがいいよ」
「…………」



