甘い疑惑

愛を中へ通し客間で待っていた充子。
「なんの用?」
と 冷たくあしらう充子に殴りかかる愛だが充子に腕を掴まれた。
「痛い!はなして!!なんでもかんでも暴力で解決するのね!さすが公家のお姫様!…にしては暴力的だから武家のほうがお似合いね!」
「はんっ!よく言うわ!自分から殴りかかっといて自分のことは棚にあげる。ひとりっこのわがままお嬢様の考えなんて私には全く理解できませんわ。」
と バカにする。
愛は充子の手を振りほどき。
「うるさい!私はあなたみたいに理不尽じゃありませんから!!」
「ふふふっ!バカとしか言いようがないわね。」
「あなたがそんなんだから博が浮気するんじゃないですか?!私以外にもいる気配が…」
「いたとしてもあんたよりましよ。」
「どーゆ神経してるの!?博のこと愛してないならさっさと別れてください!!」
「愛してるわよ。」
「はぁ!?」
「でも大っ嫌い!!」
「もームカつく!!ツンデレのつもりかしらないけどイライラする!!これ、書いて判押してください!」
と 離婚届を充子に突きつける。
またバカなことをとあざ笑う充子に愛はさらにイライラが募る。
「塔野様、タクシーが到着いたしました。」
「タクシー?」
「それでは、ごきげんよう。」
と 部屋を出ていく充子。
「ちょっと!待ちなさいよ!!キャ!はなして!はなしてよ!!」
梅林に抱きかかえられタクシーのもとへ。

「ご自宅まで。」
と 住所を書いた紙と1万を運転手に渡し愛を座席に乗せる。
「勝手なことして…絶対許さない!!」