甘い疑惑

1カ月後。
博が愛をつれて家に帰ってきた。
充子の部屋に入ると不機嫌そうに博と愛をにらみつける充子。

「なんであなたみたいな下人までついてきたの?」
「下人じゃないわ!あんたがマスコミに私の秘密バラしたんでしょ?あんたのせーで私の人生めちゃくちゃよ!!常識知らずで人を人とも思わない偉そうな奴が一番嫌いなのよ!!」
「はんっ!よく言うわ。不倫しといてあなた警察官になりたいそうね。こんなのが警官になりたいとか言うから警察って不逞の輩が多いのね。親のカードと年金使って学校にはいるのかしら。」
と あざわらう。
「あんただって働いてないじゃない!!」
「私は独身時代にためた貯金で生活してるの。月に1回着物雑誌のモデルもしてるからあなたとはちがうのよ。」
「こどもも産めないくせに偉そうにいわないで!」
「あなたこそさっさと堕ろしたらどうなの?」
「嫌!!絶対に産むわ!さっさと別れなさいよ不良品!!」
「愛!充子は妊…」
「あなたは黙ってて!(私の腹の子を絶対守ってみせる。そのためには絶対この女にバレちゃいけない…!)」
「…すまん。」
と 部屋を出ていく。

マスコミに追われ、充子に電話するたび小言を言われ、愛に金と離婚を迫られ疲れ果てていた博。ふらつきながらゆっくりと階段を降りていく。
しかしうっかり足を踏み外し。
「あっ…!あーーーーーー!!!」
と 転がり落ちていった。
充子は無言で出ていき。
「あなた!!」
と 下まで駆け下りる。
「博…?!博!!」
と 部屋を飛び出していく愛。