甘い疑惑

愛はその後所属事務所を解雇され、ＣＭも降ろされ決まっていた仕事もすべてキャンセルされ引退することに。

ほぼ無職状態の愛であったが金銭感覚は芸能界にいたころと同じく派手。服も化粧もバッグも最高級なものしか使わないし衝動買いも多い。
貯金も底をつき親のカードで買い物し放題。請求書をみられたら父親に怒られるので母に味方になってもらい、足らずを母が自分の年金から足していた。


そのことを梅林から聞いた充子は怒りがこみ上げてきた。
「親の金をなんだと思ってるのかしら。歳のわりにこどもねぇ。」
「愛はひとりっこで公務員の父と専業主婦の母に溺愛されて育ったそうです。結婚10年目でやっとできた子で。」
「私は愛みたいな子には育てない。絶対甘やかせないわ。」
そこへ菜乃子が走ってきた。
「奥様。お電話です。桃李芸能の方で…」
「桜梅芸能？」
「是非女優として復帰していただきたいそうです。」
「…今はダメよ。このこを産むまでは絶対仕事はしない！」