「それじゃあ、君のクラスに案内しますね」



そう言って、理事長室にあるふかふかのソファーから立ち上がったのは、俺が今日から通う学校の担任らしい二十代半ばの女性。



美人というよりは、小さくて小動物みたいでふわふわとした癖のある髪をショートにしている、可愛いという言葉の方が似合う。



学園内でも男子にそれなりに人気のありそうな先生だ。



まぁ、俺のタイプではないけどね。






理事長室を出てずっと俺の前を歩いていた彼女が、後ろを振り返り話しかけてきた。



「確か、月宮君は中学校に上がる前まではこの街に住んでいたのよね?」



「ええ、まぁ……」