危険な瞳に恋してる

「な……!?
 ……守屋?」

 紫音は、昨日とはまたデザインの違う黒い服と、アクセサリーをつけている。

 同じなのは、胸に光る雫形のペンダントと……

 部屋の照明を受けて、紫色にみえる瞳と……

 触れると切れそうな紫音の雰囲気。

 その、微妙な空気が、わたしを見つけた驚きからか。

 一瞬、ふぃ、と和らいだような気がした。

 けれども。

 次の瞬間。

 紫音は、マックス・パワーで怒りだす。

「……なんで守屋が、こんな所に居るんだ!?」

 こ、怖い。

 紫音は、本気(マジ)だ。

「え、えっと……」

 わたしが、しどろもどろに説明をはじめるより早く。

 薫ちゃんが、会話に割って入った。

「今日新しく、二人入ったバイトのコの一人よ!
 よろしくね?」

「……!」

 紫音の顔色が、蒼白くなった。



 ……怒っている。




 相当、怒っているようだった。