危険な瞳に恋してる

 薫ちゃんが、あんまり優しいから。

 思わずわたしは、素直に頷いちゃった。

 わたし……紫音が、好きって。

 キレイで、意地悪で……

 そして、何度も助けてくれた。





 あのヒトが、好きって………





「未成年相手に百万だなんて。
 紫音ちゃんの言っているコト、めちゃくちゃだわ。
 本来なら、残りの百万円、あたしが出してもいいくらいよ」

 薫ちゃんは、頬を膨らませた。

「……でもね。
 紫音ちゃんが本当に、春陽ちゃんのコト、嫌いだったら……きっと。
 百回キスして、なんて言わないと思うの。
 一回セックスして、終わりにしてもいいのに。
 ウブな男の子みたいに、こんな手間をかけるなんて……紫音ちゃんらしくないもの」

「……薫ちゃん」

「紫音ちゃん……本当は、春陽ちゃんに側に居て欲しいんじゃないかな?
 だとしたら……
 慣れない場所で慣れないコトするより、ここでバイトしてくれたほうが。
 紫音ちゃんの為にも、いいと思うの。
 それに……」

 言って、薫ちゃんは、今までで一番真剣な顔をした。